大学1年生だった私が、「僧侶になろう」と思った理由

特定の宗教に属さない。そんな人が多いこの時代に、なぜ僧侶という道を選んだのか。その行動に自身を駆り立てた理由は何だったのか。浄土真宗本願寺派の僧侶の人々にフォーカスして、僧侶になった理由を紐解きます。

今回ご紹介するのは、築地本願寺に僧侶として勤める髙木翔子さんです。地元の山口県を出て、東京にある築地本願寺で僧侶になった彼女が、僧侶を目指したきっかけや日々感じているリアルな声に迫ります――!

回答者:髙木翔子・22歳・山口県出身

父の背中をみて、僧侶になることを決めた

――最初にお坊さんになろうと思ったきっかけはなんですか?

髙木 最初のきっかけは、学生時代です。父親が学校の先生をしながら一人で住職の仕事をする忙しそうな姿を見て、「私も手伝いができれば……」と考え始めました。

幼少期から、僧侶として働く父の姿をみて育った高木さん

大学1年のときに、僧侶の資格を取得

――お坊さんになるまでの道のりは?

髙木 高校生までは、部活動でクラリネットの演奏をしていて、部活に邁進する日々だったため、仏教についての勉強は全然していませんでした。その後、大学は仏教や浄土真宗について学べる龍谷大学に進学しました。龍谷大学では歴史学科仏教史学専攻という仏教と歴史を学ぶ学部に入学したことから、本格的に仏教の勉強をし始めました。

そして、様々なことにチャレンジする時間ができたタイミングだったので、大学1年生の2月に得度(僧侶になるための研修)をして、僧侶になりました。

――「お坊さんになる」と言ったときの周囲の反応はどうでしたか?

髙木 家族はもちろんのこと、普段から可愛がってくださっているご門徒の方にも大変喜んでいただきました。

大学卒業時、龍谷大学の門の前にて

ご門徒さんの家で、つながりを実感

――お坊さんになってよかったことは?

髙木 ご門徒の方一人ひとりと、より深くコミュニケーションをとれるようになったことです。僧侶になってはじめて、お盆やお彼岸などでご門徒さんのところにお参りさせていただいたときのことです。

そのご門徒さんのお家にお邪魔すると、私が2、3歳くらいの小さい頃に描いてプレゼントした絵を今も大切に家に飾ってくださっている様子を見せていただきました。また、私が小さい頃どんな子どもだったのかといった話も聞かせていただきました。こうした経験を通して、ご門徒とのつながりを改めて実感し、「僧侶になってよかった」と感じました。

――お坊さんになって大変なことは?

髙木 僧侶の格好をしていると、たくさんの方に仏事の悩みであったり、相談事であったり、いろいろなことを質問されます。僧侶として責任をもってお答えするのがとても大変で、日々勉強不足であることを実感します。

現在は、僧侶として働く一方、デスクワークもこなす

見てほしいのは、「夜」の築地本願寺

――お坊さんになってみて、意外だったことは?

髙木 クラリネットという楽器を中学生になったタイミングで始め、そこから大学まで音楽を続けてきたのですが、読経にも決められた音階があり、意外と僧侶がやることには音楽に関係する部分が多々あると感じています。もともと僧侶になることを意識して音楽を始めた訳ではありませんが、「音楽をやっていてよかった」と僧侶になった今、実感しています。

――築地本願寺のおすすめを教えてください。

髙木 私は、今年の3月に初めて築地本願寺の建物を実際に見たのですが、夜のライトアップされた築地本願寺がとてもきれいで印象に残っています。

――将来、どんなことをしたいですか?

髙木 この築地本願寺で働きながら、僧侶としても社会人としても毎日成長できるようにたくさんのことを経験していきたいと思っています。

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