8月といえばお盆の時期。お盆といえばお坊さんです! ネット上で毎年話題になる「お坊さんあるある」を、築地本願寺で働くお坊さんにも調査する本シリーズの第二回を公開します!
①一般的な漢字もついつい仏教読みをしてしまう。
「清浄」「声明」「白衣」……。
一見何気ない単語ばかりですが、こうした単語を、あなたならなんと読むでしょうか?
仏教用語と一般的な単語は読み方が違うこともしばしば。そのため、お坊さんの場合、仏教用語での読み方が当たり前になっているケースもあります。
たとえば、上記に挙げた単語の場合、
「清浄」 一般:セイジョウ 仏教:しょうじょう 意味:どちらも清らかなことを言う
「声明」 一般:せいめい 仏教:しょうみょう 意味:経典に節をつけたもの。仏教音楽の一種。
「白衣」 一般:はくい 仏教:はくえ 意味:僧侶の普段着ともいえる着物の一種
だから、友だちと話しをしているときに、「僧侶といえば白衣だよね」などと言ってしまって、「え? なんのこと?」と怪訝な顔をされることも……。だから、会話をするとき、「普通はなんて読むんだっけ?」と、一生懸命、単語を脳内変換しているお坊さんも多いのです。
②運動会や参観日、家族旅行などがある日に限って、お寺の仕事が入る
「いやいや、そんなの偶然でしょ」と思った方もいらっしゃるでしょうが、築地本願寺の僧侶に聞いてみると、誰もが「わかる!」と思わず声をあげたのが、このあるあるネタです。
家族旅行に出発したとたん、お父さんが呼び戻される。
参観日に、急な法要が入ってお父さんもお母さんも出席できなかった。
スピリチュアルなものなのか、偶然によるものなのかはわかりませんが、お坊さんならば誰もが一度は経験している可能性が高いです。
③歌がうまい人が多い
築地本願寺では、朝のおつとめ前に「唱え合わせ」という最終確認が行われます。
実はお経を読む際に、とても大切になるものが音程です。
この「唱え合わせ」では、それぞれのお経を唱える声が正確な音程となるように、声のチューニングをしています。
このような日々の積み重ねの成果なのか、お坊さんには歌がうまい人が多いようです。
そのほかにも、浄土真宗には「音楽法要」という音楽を主体にした法要があります。この法要の作法の中には、雅楽が取り入れられているので、浄土真宗の僧侶は雅楽の楽器を演奏できる人もいるんです。
また、築地本願寺本堂には、お寺には珍しいパイプオルガンがあります。そのため、パイプオルガンを演奏できるお坊さんもいます。その他に、ピアノやギターを弾ける人や、パソコンを使って音楽を作曲できる人も……!
築地本願寺と音楽は、切っても切り離せない関係なんですね。
④宗派内僧侶はだいたい知り合いの知り合い
気が付けば同じ大学出身だったり、実家のお寺同士が実は繋がっていたり……と、同じ宗派のお坊さん同士での知り合いはとても多いです。
「あの人と同じ苗字だなぁ」と思ったら、実は遠い親戚だったということもしばしば。
そのため、「Aさんのお父さんのご兄弟のお嫁さんの実家の!?」というようなややこしい会話が、築地本願寺では時折繰り広げられています。
さらに結婚式の披露宴に行って、両家の顔ぶれを見ていると、不思議なほど知り合いが見つかることもあります。
これは「ご縁」を大切にしている、仏教ならではのエピソードなのかもしれませんね。
⑤お寺で働いていると言うと「巫女さん?尼さん?」と言われる
これも思わず聞きたくなる「あるある」ですね。
「女性のお坊さん=尼さん」とのイメージが強いかもしれませんが、築地本願寺では女性のお坊さんであっても「尼さん」という呼び方はしていません。
男性も女性も同じ「僧侶」です。
築地本願寺ではSDGsに関する活動も積極的に行っています。目標のひとつであるジェンダー平等にも力を入れています。なぜなら浄土真宗では、すべてのいのちに優劣はないからです。
そのため性別に関わらず結婚式(同性の場合、正式にはパートナーシップ仏前奉告式)を行うこともできるんです!
ちなみに、「巫女さん」は神社などに仕える方ですので、もともとお寺にはいません。
おまけ:ドラクエをやるとき、パーティーのメンバーでは「僧侶」を大事にしたくなる。
みなさまもゲームでは僧侶を大切にしていただけると幸いです。