【意外と知らない仏教語②】「律儀」の本来の意味は「誠実で実直」ではなかった?

普段何気なく使っている言葉が、実は仏教に由来する「仏教語」だということを知っている方は意外と少ないのではな いでしょうか。暮らしの中にとけ込んでいる「仏教語」の代表的な言葉をクイズ形式でご紹介します。

Q:「律儀(りちぎ)」の仏教的な由来は?

【選択肢】

①仏教の儀式を、きちんと遂行する優れた人

②正直で、偽りのない人

③悪いことをしないためのルール

【解説】律儀は、律義とも書きます。「律儀な人」といえば、正直者、実直な人、義理堅い人のことを示します。仏教では、律儀を「リツギ」と読み、抑制する、防止するなどを意味し、悪行に陥ることを未然に防ぐ戒律のことを表します。戒律を守り、威儀を整え、悪をなさぬことが律儀なのです。仏教語の「リツギ」が、いつの間にか「リチギ」という日常語になりました。

【答えは、③

Q:「頂戴(ちょうだい)」の仏教的な由来は?

【選択肢】

①頭に仏さまの教えを乗せて、いただくこと

②人様から何かをいただくこと

③仏さまにお供えした食べ物を、自分で食べること

【解説】「ありがたく頂戴します」と言えば、「いただきます」と応ずる言葉で、「もらう」の謙譲語です。一方、「それを取って頂戴」と言えば、「〜してください」の意味になります。

『十二礼*』に「観音頂戴冠中住」とあり、これは観音様が冠を 頭の上に戴かれ、その冠の中に、仏が住んでいると説かれています。頂戴とは、本来、頭の頂にのせることを言い、 仏様の教えを、頭にのせていただくことなのです。目よりも高くささげ、頭を低く下げてもらう「いただき物」。頂戴物と は、いただき物のことを示します。

*十二礼(じゅうにらい)とは七高僧の第一祖・龍樹菩薩が、自ら西方浄土へ往生することを願い、阿弥陀如来を礼 拝讃嘆した讃歌。その礼拝する心が十二回繰り返されており、七言四十八句より成る。

【答えは、①】

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