【意外と知らない仏教語③】「ありがとう」という言葉は、どうやって生まれたのか

普段何気なく使っている言葉が、実は仏教に由来する「仏教語」だということを知っている方は意外と少ないのではな いでしょうか。暮らしの中にとけ込んでいる「仏教語」の代表的な言葉をクイズ形式でご紹介します。

Q:「有り難い(ありがたい)」の仏教的な由来は?

【選択肢】

①人として生まれることや、仏さまの教えに遭うことの難しさを表した

②なかなか出逢えない高僧に遭遇したことを、感謝する意味があった

③めったにない法話を聞いて、感謝する気持ちを表していた

【解説】「ありがとう」は感謝やお礼の心を表す言葉として日常的に使われています。三帰依文*に「人身受け難し、今すでに受く。仏法聞き難し、今すでに聞く」とあるように、人間として生まれることや、仏の教えに遭うことは、なかなか難しく「有り難い」ことと言えるでしょう。「有り難い」は文字通り、有るのが困難、めったにない、珍しいという意味で、だからこ そ、貴重である、かたじけないという感謝の気持ちを表す言葉になったのです。
*三帰依文(さんきえもん)仏・法・僧の三宝に帰依することを三帰依という。

【答えは①】

Q「言語道断(ごんごどうだん)」の仏教的な由来は?

【選択肢】

①仏教者として使うべきではない言葉を、断ずるという意味

②言語で説明できないほど奥深いという意味

③言葉で表せない道は断るべきであるという意味

【解説】「ありがたく頂戴します」と言えば、「いただきます」と応ずる言葉で、「もらう」の謙譲語です。一方、「それを取って頂戴」と言えば、「〜してください」の意味になります。

【解説】一般に、「言語道断だ」といえば「もってのほかだ」「とんでもない」など、厳しく批判する言葉として使われます。しかし、「言語道断」という言葉は、もともと仏教語で「言語で説明する道の絶えた」ということです。「悟りの境地は言葉や文字では、表すことのできないほど、奥深い」という意味で、仏典によく説かれています。深い真理を意味している言葉が、現代では悪い意味の言葉として使われているのです。

【答えは②】

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