【くらしの仏教語豆事典】
愚痴(ぐち)

特に強力な煩悩のひとつ

 言っても甲斐かいのないことを、くどくどと言って歎(なげ)くことを「愚痴をこぼす」といいます。

 そして、よく愚痴をこぼす人を「あの人は愚痴っぽい人だ」ともいいます。

 愚痴という字を見ると、「愚」も「痴」も、事理に暗いこと、おろかなことをいう意味ですね。

 お釈迦さまは「人間が苦悩する原因は、心のなかに宿る煩悩(ぼんのう)にある」と教えられました。

 煩悩は百八種あるといわれますが、その中でも特に強力なものを「三毒(さんどく)の煩悩」といいます。①貪欲(とんよく)=むさぼり欲しがる心。②瞋恚(しんに)=いかり腹立つ心。そして、③愚痴です。

 愚痴とは、目さきのものにとらわれて、真理を解する能力のない愚かな心を指しているのです。

 『ちかいのうた』の中に、 「欲と 瞋(いか)りと 癡(おろか)さのわざわい 永遠(とわ)に除(のぞ)かなん」とあるのがそれです。 愚痴もほどほどに・・・・・・。

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