【くらしの仏教語豆事典】
双六(すごろく)

極楽が上がりの浄土双六

 昔、お正月の子どもの遊びといえば、凧揚(たこあげ)、はねつき、かるたと並んで双六がありました。振り出しから上がりまで誰が早いかを争う楽しいゲームです。

 双六は古くインドに誕生しました。『涅槃経(ねはんぎょう)』にある波羅塞戯(はらそけ)がそれで、後に欧州でバックギャモン、中国や日本で双六と呼ばれるようになりました。

 双六には、「古制双六」と、「絵双六」の二種類がありました。

 古制双六は、『源氏(げんじ)物語』『枕草子(まくらのそうし)』などの多くの文献に現れ、古くから盛んに行われていましたが、賭博性が強く何回も禁止されています。

 絵双六は最初、「仏法双六」 といい、修行僧に天台(てんだい)の名目(みょうもく)を教えるための絵でしたが、それが転じて「浄土双六」になりました。

 振り出しから地獄六道(ろくどう)のありさまが描かれているところを通り、極楽浄土に上がるものです。その後、東海道を旅する道中双六など現在のようないろいろな双六となりました。

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