外見をからかわれた子どもに、どう言葉をかけるべきか悩んでいます

外国人の夫の間に生まれた二人の子どもがいるのですが、友だちから外見をからかわれることがあります。「人の言葉を気にするな」とは伝えているものの、今後成長するにつれて、こうした機会が増えていくのだろうと思います。子どもにどんな言葉をかけ、どんな対応を示していくべきなのか、アドバイスをください。(30代・女性)

相馬顕子
築地本願寺職員
「慣れ」は、からかいをなくす

なぜ、外見をからかわれるのか考えてみました。それは、その友だちにとって、お子さんの容姿が「見慣れない」状況だからでしょうか。人間を含めた生物にとって、見慣れないものは、自分に危害を加えるものか加えないものか、食べられるものか食べられないものか、というような判別ができないため、警戒したり、好奇心を持って見られるのだと考えられます。その友だちにとって、お子さんの容姿が見慣れた状態になれば、からかいの対象ではなくなるのではないでしょうか。
仏教では、「変わらないものは何もない」といいます。その友だちの態度や価値観はもとより、お子さんご自身の感じ方や容姿、お子さんを取り巻く社会も、今後ずっと変わらず続くものではありません。お子さんには、自信を持って日々を楽しく過ごしていただけるといいなと思います。

枝木美香
築地本願寺新報編集委員
共通の経験を持つ人と、会話を

もし他のミックス/ダブルの子どもと接する機会があれば、積極的にそういう場に参加するのはいかがでしょうか。これからはアイデンティティについてや社会生活の中でも悩みが生まれるかもしれず、そんなときは共通の経験を持つ人たちとの会話が、道を切りひらく助けになるのでは。最近は、オンラインでも開かれているようですよ。これからも、悩んだり憤ったりする時間があるかもしれません。
でも、そんなときに分かってくれる家族や友人がいるだけで、「私はここにいていいんだ」という安心感と自信を持てる気がします。
そして言うまでも無く、「あなたが世の中で一番可愛い」と、溢れる愛情を言葉にして届けてください。愛しいと言ってくれる存在は、辛いことがあっても戻れる場所ですから。

横内教順
本願寺派布教使
ありのままでいいと伝えて

子どものことは親として心配になってしまいますね。友人関係はコントロールできませんし、「気にするな」と声をかければかけるほど自分も相手も気になって不安になるものです。
親としてできるのは「周りが外見であなたを評価することがあっても、親だけは決してあなたを外見で評価することはない。ありのままのあなたを見守っている」ということを言葉や態度で示して子どもに安心を与えることです。
私は教育に5年ほど携わっていましたが、子どもは大人が思う以上に狭い世界を生きています。親が不安を与える存在ですと、子どもは支えを失ってしまいます。親の揺るぎない慈愛こそが、子どもの安心に繋がります。世間とはまったく違うあたたかいまなざしで、お子さまを親として見守り支えてあげてください。

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