「好きな人ができた」と言われて、恋人にフラれました。

人の数だけ、悩みは尽きぬもの。皆さまから寄せられた悩みに、お坊さんや仏教関係者たちが答えます。

「ほかに好きな人ができた」』という理由で、恋人にフラれました。こんなにつらい想いをするなら、もう恋愛なんてしたくないと思ってしまいます。失恋の痛手をやわらげ、再び恋愛したい気持ちになるにはどうしたらいいでしょうか。(20代・女性

星 顕雄
本願寺新報記者
「2番目」はなんですか?

 まずはお身体大丈夫ですか。あまりに変調をきたしたら、リアルの関係でSOSを出してみてくださいね。あなたの心に寄り添ってくれる人はきっといるはず。思い切って打ち明けてみてください。その上で。恋というのはするときはしますし、しないときはしませんよね。ですから今はご自身の自然な気持ちにまかせることが一番なのでは。
 さて、本題の失恋の痛手をやわらげる方法については、食べたり飲んだり、本能の赴くままに過ごすというのも一つの方法かも知れませんが、それだけでもやはり身心を壊すおそれがあります。そこで私は、今まで恋愛に次いで「2番目にしたかったこと」に取り組むことをおすすめします。恋愛以外のご趣味、何かありましたよね? ともすると「コスパ」や「生産性」で語られがちな昨今の人々の行動ですが、人生には意味のなさそうなことでも、それが必要なときがあるように思います。

横内教順
本願寺派布教使
「根源的な痛み」を見つめる機会に

 別れというのはつらいものです。相手の存在が自分の中で大きければ大きいほど、悲しみは深くなります。
 一方で、浄土真宗の仏さまは私たちのことを「苦悩の有情」とご覧くださっています。実は人間は根源的に痛みを抱える存在であり、恋人の存在が一時的な痛み止めになっていたと考えることができるかもしれません。あなたの抱える「失恋の痛手」とは、実は失恋によって生まれたものではなく、本来あなたが持っていた「孤独感」「隔絶感」が失恋を通じて表層化している状態といえるのではないでしょうか。
 ご自身の中にある「誰かと繋がっていないと生きていけない」「恋愛をすることが幸せである」という心が、どこから生まれたものなのか……この度の失恋がご自身と向き合う一助となることを願います。

相馬顕子
築地本願寺職員
大らかに待ってみましょう

おつらいところとお察しいたします。「相手に良かれと思ってやってきたことも、効果がなかったのか」「自分のどこが悪かったのか」なんて思い悩むと、恋愛をする気もなくなってしまいますね。
 この世界は、色々絡み合った多様な原因と多様な結果とで構成されていると考えられています。原因と結果が見えやすいものならば、因果関係も理解しやすくなりますが、世の中はそこまで単純でもないと思います。知らない間に原因の種が撒かれ、時間を置いたある時、結果として見えることもあります。「なにが悪かったのか」と見えない原因を思い悩んでいても、新たな恋への意欲はなかなか生まれません。まずは、次のご縁を大らかな気分で待ってみてはいかがでしょうか。

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