父の一周忌を終え、母が父の法名が短いのではないかと心配しております。父は釈●●で父の兄は〇〇〇釈〇〇居士です。変更すると今の位牌などの表示の変更があるのは嫌です。○○〇釈●●居士として今の位牌とは別の形で作ることは良いことでしょうか。父を思う母の気持ちに答えたいです。(50代・女性)
お父さまを亡くされて丸一年、さぞお寂しいことと存じます。ただただ、お念仏申し上げます。
さて、ご法名と仰っていただいておりますので、お父さまは浄土真宗のご宗旨であったかと推察いたします。ご法名に長いも短いも、良いも悪いもございませんのでまずはご安心ください。
お名前の形式を見るところ、お父さまは法名、お父さまのお兄さんは戒名をお付けになられています。この名前、なぜつけるかといいますと、仏門に入ることを機に名前を改める慣習があるからです。
戒名は、戒律(仏教における生活のルール)を守ると誓うことを機に授かる名前です。浄土真宗では戒律を用いませんので、阿弥陀如来の み教え を人生の主軸にとするとを誓ったときに授かる名前を、法名といいます。
阿弥陀如来は「自分の名前を呼ぶ者は、誰ひとり漏らすことなく救う」仏様です。浄土真宗では、どんなに仏法に精通した高僧でも、ろくに仏法を聞いたことがない仏教ビギナーでも、みんな一様に「釋○○」という法名をつけることが決まっています。
そこには上も下もなく、みんな平等な救いがあり、同じ「釋○○」というお名前をいただくことに浄土真宗の良いところがあるのだと思っています。
このご説明でお母さまがご納得いただけるか分かりませんが、「釋○○」というお父さまのお名前は決して粗末なものではなく、誰もが平等に救われる教えをいただいた、大変尊いお名前であることをお伝えいただけたらと思います。