スポーツが苦手です

なんでもすぐうまくできる人となかなかできない人がいると思います。おじさんも運動神経はよくないほうですが、40歳からカヌーを始めました。若い人はどんどんうまくなっていきますが、私はなかなかうまくなりません。しかしそれでも続けていくと少しずつですが、できなかったことができるようになっていきます。
13歳でスケートボードストリートの金メダルをとった西矢椛さんは、「どうしたらうまくなりますか?」というインタビューでの質問に「あきらめないこと」と答え、16歳で同じ競技で銅メダルをとった中山楓奈さんは「毎日乗ること」と答えていました。うまくなるスピードには差があると思いますが、人と比べずに失敗を怖れず、あきらめずにやり続けると必ずできなかったことができるようになります。お釈迦さまも忍耐と努力をお弟子さんたちに大切なことと伝えています。

君の気持ちは良く分かるよ。僕もスポーツが苦手で、友達に笑われないかってすごく不安だったから。金子みすゞさんっていう人の『私と小鳥と鈴すずと』っていう歌を知っているかな。その歌の最後に「鈴と、小鳥と、それから私、みんな違って、みんないい」って言葉があるんだ。「鈴はきれいな音が出せていいな。小鳥はお空を飛べていいな。でも、鈴は私のようにたくさんの唄を知っているわけではないし、小鳥は私のように地面を速く走ることはできないよ。みんな違っていて、みんないいんだよ」っていう歌なんだね。
人は、それぞれ得意と苦手があるのが当たり前で、運動は苦手だけど、勉強が得意な人や絵を描くのがうまい人もいる。だから、苦手なものを気にするよりも、自分が得意なものや好きなものを見つけて、ぜひ夢中になってほしいな。君には君の魅力があるんだから。

速い人と走らされたり、うまい人の次にやるの、いやだよね。はずかしくなるよね。おっちゃんも運動が苦手だったから。
「おっせ～わ」とか「ウケる」とか言う人いるでしょ？　上手な人をほめればいいのにね。でもね、あの子たちは本気で言ってるわけじゃないから、10秒後には忘れています。算数や給食の時間は別のこと考えているでしょ。だからその時だけ言わせておけばいいんだって、思うようにしたらどうかな。
実は運動が苦手な人はたくさんいます。またいきなり上手になる人はいません。いやな気持ちを知っているあなただからこそ、つらそうにしている子がいたら「大丈夫だよ」とその子の味方になってあげてください。