これからますます迫りくる「老い」と、どうやって向き合えばよいのでしょうか

50代後半になってから、以前は普通に登っていた階段で息切れをしたり、何もないところで転んだりと、急な身体の衰えを感じます。昔は簡単にできたことができなくなる自分に、日々情けなさを感じるのですが、今後、これからますます迫りくる「老い」と、どうやって向き合えばよいのでしょうか。(50代・女性)

モノクロ坊主
発想を変えれば、「老い」は人生の充実につながる

確かに歳を取ると、体力や記憶力の衰えが目立ちますが、老いることは悪いことばかりではありません。
例えば、今まで世の中に対して背負っていた荷物を下ろすことで、精神的な負担が軽くなります。単純に時間だけではなく、周囲からの成績や評価などのしがらみから解放され、もっと自己を見つめることができます。そして、もっとも大切なのが、自身のいのちを意識するようになることです。親や祖父母、友人を見送ると「自分自身も遠からず死んでいく」ということを考えさせられます。若いときには思いもしなかった先祖のことを考えたり、いのちの有限性やつながりをも感じたりするようになります。
 「老い」はどうやっても避けられません。悪い面ばかりではなく、良い面にも目を向けて残りの人生を充実させたいものです。

三日坊主
人生経験は豊かに積み重なっている

50代も後半ともなると、いつまでも若いつもり、とはいかなくなってきますよね。少しの無理が、骨折などの大怪我につながる話もよく聞きます。しかし、しょぼくれていても始まりません。痛風で足元がおぼつかないとき、「手元不如意で足元不如意、だからどうした!」と言い続けた知人がいたなあなどと思い出しましたが、手元のことはともかくとして、「だからどうした!」という気持ちも時には大切なのかも知れません。この世に常なるものは何一つありません。あなたもそうです。「できなくなること」が多くなる代わりに、あなたには豊かな人生経験が積み重なっているはずです。ぜひ豊かな人生経験を大切にして、自分の体に起きる変化も受け入れてあげてください。

隠れメタ坊
堂々とお話しください

お寺でお年を重ねた方とお話しすると、85%の確率で健康の話になります。「足が痛くて」「○○の数値が」「物忘れが多くて」……。こういう話を聞いて、あなたは一層不安を感じるのではないでしょうか。でもこの方たちの特徴は、自分の不安を堂々と話せることです。むしろ不安自慢のようです。そう、解決しないことは重々承知で、お話になるんですよ。
話をすることで、きっと自分自身と向き合っているのではないかと感じるのです。とりあえず、あなたが情けないと思うところをもう少し話してみませんか。そういう場を得ることが方法の一つだと思います。

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