地獄・餓鬼・畜生は無いのですか？

もちろん仏教なので地獄も餓鬼も畜生もありますよ。
親鸞聖人はお弟子さんとの会話の中で『地獄は一定すみぞかし』と、仰っています。これは「阿弥陀如来の み教え がなかったら、私は必然的に地獄に落ちてしまう身なのだ」という意味で、聖人は「私にはこの道しかない」と、強い信念や覚悟が感じられるお言葉を残されています。
また、阿弥陀如来の み教え を我々に至るまで脈々と受け継いで来られた七高僧の一人、源信和尚は、現代における地獄のイメージを確立されたといえる方で、著述の『往生要集』では、地獄の様子を事細かに説明されています。
このように、仏教のベースになるような世界観はもちろん浄土真宗にも存在します。ただあんまり話題には上がらないですね。というのも浄土真宗のご本尊である阿弥陀如来は「私が仏に成っても、私の国（浄土）に、地獄、餓鬼、畜生があるのであれば、私は覚りを得ません」とお誓いになって、覚りを得られている仏さまなので、阿弥陀如来のお救いにあずかる以上は、気にする必要がないのです。
ちなみに一点、「念仏を称えれば浄土に行ける」ということには少し語弊があります。お浄土に往生できるのは、阿弥陀如来から信心をいただいた人であって、真の信心をいただいた人に、お念仏が伴ってくるのです。