以前よりも人に会う機会が減って、孤独を感じます

以前よりも人に会う機会が減って、孤独を感じます。さみしい気持ちになったとき、お坊さんはどうやって対処されていますか? (60代・女性)

K・Y
人とのつながりに参加し、 心を開いてみては。

『仏説無量寿経』には、「人、世間愛欲のなかにありて、独り生れ独り死し、独り去り独り来る」と説かれています。
つまり、人間は基本的に孤独です。生まれてくるのが独りなら、死んでいくのも独り。自分の人生を誰か他の人に代わってもらえない以上、その孤独を直視して生きていくしかありません。
反面、この世は独りでは生きていくことができないのも事実です。自分のいのちは様々な繋がりの中で成り立っており、「一つの縁が欠けたら、明日のいのちはない」のです。人間は孤独であると同時に、目に見えない部分で支え合って生きています。
待っているだけでは孤独が深まっていくばかりです。少しでも自分から動いていくと、現状は大きく変化します。例えば、ボランティア団体など自分の利害と関係しない「人とのつながり」に参加し、自分からこころを開いていけば、孤独は解消されていくのではないでしょうか。

三日坊主
私は孤独を感じたとき、 三日三晩ゲームをしました。

私も最初は一人で本を読んでいました。しかし読書で孤独が解消されるかというと、そうでないこともあります。そこで親族に怒られることを承知で正直に申し上げますが、実は私はこの緊急事態宣言の間、どうしても寂しくなり、とある三日三晩ゲームをしました。ゲーム内のどうぶつたちは私(のキャラ)に明るく優しく話しかけてくれますから!
「暇だねえ」と言われるかも知れませんが、やることはあったんです。ただ先延ばしにしたんです。最後はもうフラフラになって限界を感じ、そのゲームをやめました。この話から意味のある結論を導き出すのは難しいですが、世の中にはこんなヤツもいるんだと知ると、「自分だけが孤独なわけではないのだ」と少し安心しませんか?

落語坊主
あなたも、誰かを支えています。

「さみしい」と思うのはたいてい、「これまで関係のあった人と疎遠になった時」でしょう。人は関係を求めますから、そんな気持ちは誰にでもあるものです。でも、私たちが持つ関係は、思ったより広いものです。私たちの生活は、さまざまな人(そのはたらきに気づけない場合を含めて)に支えられています。この「支え、支えられる関係」は複雑に入りくんで、とぎれることなく続いています。これは「私たち誰もが、実はさまざまな人を支えている」ということでもあるのです。孤独を感じる時でも、気づかないうちに、他の誰かを支えています。

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