阿弥陀様はどこで生まれたんですか?(20代・男性)
佛教は真理を求める教えです。
ただ、その真理は自分自身のその時その場に応じた形で触れていることになります。
極楽浄土を『阿弥陀経』では「従是西方、過十万億仏土、有世界、名日極楽」としてとても遠いところとして表していますが『観無量寿経』では「阿弥陀仏 去此不遠」と“ここを去ること遠からず”とお示しくださっています。真理から遠い存在である私からみれば阿弥陀さまのおられる極楽浄土はとても遠い場所です。しかし阿弥陀さまからみれば「いつも一緒だよ」とし、また私が娑婆世界での縁が尽きた時、阿弥陀さまのはたらきで即時に極楽浄土に生まれさせていただくので近い場所とすることができます。
このように今回のご質問である「阿弥陀さまはどこで生まれたか」についても、「法蔵菩薩さまが兆載永劫のご修行の末に阿弥陀さまとなられた=生まれた」とすることもできますし「はかりしれない命と光のはたらきを持つ阿弥陀さまなので、いつで、どこでとは、まさに考えることができない」と考えることもできます。まさにその時その場所でさまざまに味わうことができるのです。
しかし間違いないのは私が「なもあみだぶつ」とお念佛をお称えするとき、そこに阿弥陀さまがおられるということです。