私は今まで他の宗教を信仰しており、運命について信じて疑う事はありませんでした。それは私の妹は病気で30代前半で亡くなり、どうしてなのかわからなかった時、運命だと思うしかなかったからです。
しかしこちらで仏の教えを学び、宿業と言うのを知りました。そのような教えも大変学びになりました。ただ私の妹はなぜ死んだのかわからなくなりました。どうしてなのでしょうか?(40代・女性)
大切なご家族を亡くされたのですね。お悔やみ申しあげます。
投稿いただいた内容に「宿業」という言葉が出てきました。もし、相談者様が「宿業」という言葉を「現世で報いとしてこうむる、前世に行った善悪の行為」と理解されており、それによって妹さまが亡くなったと考えていらっしゃるのであれば、それは少し違うと思います。
仏教では「縁起」という教えがあります。「縁起」とは、「すべての存在は多くの因縁によって在り得ている」、つまり「私たちの人生は「縁」によって成り立っている」、という意味です。しかも、その縁は複雑に絡まり合っており、私たちには分かりえない不思議な世界でもあります。このことから私たちの人生は一般的に捉える「宿業」だけでなく、様々な「ご縁」によって決まり、また変わっていくといえます。
このように不思議なご縁によって生かされている私たち。いずれこの命を終えていかなければならない身です。妹さまとの別れは悲しいことですが、浄土真宗の阿弥陀如来様は「すべての者を必ず救う(仏にする)」と誓われました。ですから今度は仏の世界であるお浄土にて、妹様との新しい出逢いもあるのだと、これもまた一つの「ご縁」なのだと私は思います。