20代の娘が2人います。長女は4年前に家を出て一人暮らしをしています。今日、下の娘から一人暮らしを考えたいと話がありました。娘たちの自立は親として背中を押しているので反対はありません。でも2人が家からいなくなった時のことを考えると気持ちが落ち込み不安や寂しさだけが心を覆いどうしようもない気持ちになります。何もやる気になれず寂しくて仕方ありません。どうすれば親として前向きになれるでしょうか？(50代・女性)
安邉 泰教（あべ たいきょう）
40代 山口県出身
子離れできない親などいないのではないか。
「子離れできない親などいないのではないか。」こんなことを言われた方がおられますが、まさにその通りだと思います。私たち自身がそうであったように、子どもは成長とともに徐々に親から離れていくため、子離れしているように見えるだけで、親はいつまでも子どものことが心配ということですね。あなたのご両親もきっと、同じようなお気持ちで子どもの成長を喜び、親離れしていく寂しい想いをされてきたことでしょう。
阿弥陀仏という仏さまは「摂取不捨（せっしゅふしゃ）」というおはたらきで、私たちをお救いくださいます。それは、仏さまに背を向けて逃げ回っているものをも決して見捨てないことを意味します。我が子を想う親のように、私たちの苦しみや悲しみ、寂しさもすべてを受け止めご一緒にいてくださるのが仏さまというお方です。仏さまのようにはできなくても、親としてこれからのお嬢様の自立を見守り喜んであげてください。そして、どうしても寂しさが尽きないときは、その寂しい気持ちを素直にお嬢様に打ち明けてはいかがでしょうか。