友達もいないし、妻とも不仲。生きがいが見つかりません

先日、65歳で定年退職を迎えました。いままで仕事一筋の人生だったので、仲の良い友達もおらず、趣味もありません。二人暮らしの妻ともさほど会話がなく、一日誰とも話をしない日も多いです。こんな私が新たに生きがいを見つけるには、どうしたらいいのでしょうか。(60代・男性)

戸見嶋淳昭
築地本願寺コンタクトセンター担当
「ありがとう」の一言で気持ちは変わる

生きがいは、探して見つかるものでなく、日常のなかから見つかるものではないでしょうか。私事ですが、結婚して6年になり、子どもが二人おります。家庭内のルールとして心がけているのが、最低限の挨拶「ありがとう」と「ごめんなさい」です。特に気を付けているのが夫婦間での「ありがとう」です。妻が食事を作ってくれれば、私から「ありがとう」。私が洗いものをすれば、妻から「ありがとう」。一言、「ありがとう」を伝えるだけで、お互いにやさしい気持ちになれる気がします。「ありがとう」の習慣は誰にでもできることです。ふとした時に奥様に「ありがとう」とお伝えするだけでも、気持ちがまた変わるのではないでしょうか。相談者様の人生の半分程度しか生きていない若輩者の言葉ではありますが、参考になればと思います。

藤本真教
常教寺住職
あなたをスカウトします

定年退職おめでとうございます。長い間お疲れ様でございました。そして今後をお考えなのですね。
趣味もないとのことですが、今までなかったのですから、すぐに見つかるはずないと思います。でも締め切りや納期もないのですから、慌てる必要もないですよね。縁が人を導くこともありますから。
もしそれでは落ち着かないのでしたら、社会貢献を提案します。自治会運営や地域の見守り活動もいいですが、ここはひとつ、保護司をお考えになってはいかがでしょう。一筋に勤め上げた実績を持つ65歳なら、即戦力として歓迎されます。実は各地で定員割れが深刻で、多彩な人材が必要です。私も保護司ですので、間に入ることができます。新任は66歳までです。いかがですか? 

星顕雄
本願寺新報記者
お寺の門を叩いてみましょう

お坊さん回答者はみな同じ回答になるかも知れませんが、ここはひとつ、お寺を巡ってみてはいかがでしょう。「神社仏閣巡り」というと何年も前からブームと言われつつ、その存在は「静か」なまま。昨今は門が閉じているお寺も少なくありません(我々が反省すべきところです)。しかし勇気を出してお寺の門を叩いてみてください(ピンポンかも知れません)。そして出てきたお寺の人に、悩みを打ち明けてみてください。防犯上門を閉じていても、心を閉ざしているわけではございません。普段会わない人に会う、普段とは違った視点を持つ、そのことだけでも重要なのではないでしょうか。問いの答えを住職さんに丸投げしている? そういうわけではありませんが。

0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA